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臨床化学検査の正確さ評価試料“JCCLS MaCRM”
篠原 克幸
1
1福岡大学筑紫病院臨床検査部
pp.574-576
発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205959
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はじめに
臨床検査技術は進歩し,今や主要な項目ではいつどこでも大きな差のない測定値を得ることが可能になった.日本臨床化学会(Japan Society of Clinical Chemistry:JSCC)によるヒト血清中酵素活性測定の勧告法など基準測定法や,その測定値を日常検査法に伝達するための認証標準物質(certified reference material:CRM)の整備によるところが大きい.日常検査に用いる試薬キットの製造販売会社は,基準測定法によって値を定めたCRMを上位標準として,自社試薬の校正物質(キャリブレータ)に値を付けている.
ところが,一般の臨床検査室が測定値の正確さを確認するための物質は存在せず,CRMを入手し,測定することで代替している.表1のとおり,わずか30項目の確認に10種類程度のCRMが必要であり,費用・労力ともに重い負担となる.そこで,日本臨床検査標準協議会(Japanese Committee for Clinical Laboratory Standards:JCCLS)は,臨床検査室が測定値の正確さを確認するための物質として,多項目実用参照物質(Multianalyte Conventional Reference Material:MaCRM)の開発を企画した.
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