連載 この人に聞きたい!・7
ピロリ菌除菌と胃がんリスク検診
加藤 元嗣
1
1北海道大学病院光学医療診療部
pp.842-847
発行日 2013年10月15日
Published Date 2013/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102863
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はじめに
2015年2月から,ヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)感染胃炎に対する除菌治療が保険適用となった(図1).H. pylori除菌による胃がんの抑制効果を考えると,わが国の胃がん予防対策が大きな転換期を迎えたといえる.同時に,従来行われてきた二次予防(早期発見・早期治療)であるX線検診にはさまざまな問題が存在して,その役割転換を考えなければならない時期でもあった.H. pylori感染者の総除菌時代となり,これからの胃がん予防策は,H. pylori除菌の一次予防と画像診断による胃がんスクリーニングの二次予防を組み合わせたTest, Treat, and Screeningが基本となる1).今後はこの胃がん予防策に,胃がんリスク検診をどのように組み込むかが重要なポイントである.
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