疾患と検査値の推移
骨粗鬆症
稲葉 雅章
1
1大阪市立大学大学院代謝内分泌病態内科学
pp.495-501
発行日 2008年6月1日
Published Date 2008/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102094
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はじめに
骨粗鬆症の診療分野での最近の最も大きな変化は,エビデンスに基づいた強力な骨折抑制効果を有する薬剤使用が可能になったことである.実際,大規模臨床試験によって,椎体骨折の約50%,大腿骨頸部骨折の約25%が早期治療により予防できることが明らかとなった.また,骨粗鬆症の診断基準は,以前は骨量減少のみによる診断であったが,骨量に加えて骨質を考慮したものに変更された.骨質劣化の規定因子として過度の骨代謝回転亢進や低下が主たる要因として規定されたため,骨代謝マーカー測定時の異常上昇・低下は,骨量測定とは独立した骨折リスクの危険因子と認識されている.日本人のCa代謝異常の特徴としてCa欠乏が特に挙げられる.したがってCaバランスに関する検査も重要となる.本稿では,これら骨粗鬆症の診療分野で頻用される骨代謝マーカーとカルシウム代謝検査について詳述する.
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