技術講座 血液
フォン・ビルブランド因子の測定
松本 雅則
1
1奈良県立医科大学輸血部
pp.489-494
発行日 2008年6月1日
Published Date 2008/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102093
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新しい知見
フォン・ビルブランド因子(von Willebrand factor,VWF)は,その機能が低下すると出血症状が出現し,亢進すると血栓症が出現する二面性をもっている.従来VWFは,出血症であるフォン・ビルブランド病(von Willebrand disease,VWD)との関連でのみ注目されていたが,心筋梗塞や脳梗塞などの血栓症の増加に伴い,これらの動脈血栓症との関連で検査されることも多くなった.また最近,VWFを特異的に切断する酵素であるADAMTS13(a disintegrin and metalloproteinase with thrombospondin type1 motif13)の活性が著減すると,血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura,TTP)が発症することが明らかとなり,VWF測定はさらに重要な検査となっている.
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