外科医に必要な整形外科common diseaseの知識・10
骨粗鬆症
高田 潤一
1
,
石井 清一
1
Junichi TAKADA
1
1札幌医科大学医学部整形外科
pp.350-351
発行日 2000年3月20日
Published Date 2000/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904059
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疾患の概念
骨粗鬆症は,「低骨量で,かつ骨組織の微細構造が変化し,そのため骨が脆くなり骨折しやすくなった病態」と定義される.さらに骨粗鬆症は原発性骨粗鬆症と続発性骨粗鬆症に分類される.続発性骨粗鬆症には内分泌性,栄養性,薬物性,不動性などがある.
骨粗鬆症を診断する際に最も大切なことは鑑別診断である.低骨量を示す疾患は原発性骨粗鬆症に限らない.骨は運動器であるとともに,代表的なカルシウム貯蔵器官である.したがって,カルシウム代謝に関与する臓器やホルモンに異常が起こると骨はその影響を受ける.先述した続発性骨粗鬆症のほか,骨軟化症,副甲状腺機能亢進症,悪性腫瘍の骨転移,多発性骨髄腫などの疾患が存在することを念頭におかなければならない.
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