Japanese
English
特集 CKD-MBDの新しい潮流
CKD-MBD治療
骨粗鬆症治療 骨粗鬆症治療におけるビタミンDとCa受容体作動薬の意義
Significance of vitamin D and Calcium receptor agonist in the treatment of CKD-MBD
稲葉 雅章
1
INABA Masaaki
1
1大野記念病院
キーワード:
CaR agonist
,
vitamin D
,
CKD-MBD
,
osteoporosis
Keyword:
CaR agonist
,
vitamin D
,
CKD-MBD
,
osteoporosis
pp.356-360
発行日 2023年9月25日
Published Date 2023/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000881
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はじめに
慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)は,明確な骨折リスク上昇を起こす生活習慣病の1つである。特に糸球体濾過量(Glomerular Filtration Rate:GFR)<60mL/minのCKD stage G 3以上の患者では,二次性副甲状腺機能亢進症による皮質骨多孔症が惹起され,大腿骨近位部骨折リスクが上昇する。しかし,若年透析患者では一般人と比較して大腿骨近位部骨折発生率に顕著な差があるが,年齢が上昇するにつれてその差が縮小する1)ことから,加齢に伴う骨粗鬆症による骨折への影響が,透析患者でも増大すると考えられる。また尿毒症,経口蛋白質制限や糖尿病合併が原因となるサルコペニア発症は,骨量減少に加え,転倒確率上昇なども介して骨折リスクを上昇させる2)。重要な点として,CKD進行に伴う副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone:PTH)上昇の骨吸収促進効果は高齢CKD女性で最も大きく,また,サルコペニアも女性,特に閉経後や糖尿病合併で顕著となる。
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