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あとがき
伊藤 喜久
pp.244
発行日 2008年2月15日
Published Date 2008/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101543
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輸血の安全管理は,不適合輸血,感染をはじめとする医療事故,副作用の予防,防止に集約される.人は過ちを繰り返すもの,その頻度を下げ,もし不幸にしてトラブルが起きたとしても可及的に程度の軽減が得られるよう,国,血液センター,病院輸血検査室,臨床の現場が一体となって,安全医療のトータルシステムを構築してきました.国のレベルでは関連法規,規則の整備,血液センターは安全な製剤の供給,病院検査室ではマニュアルに従った正確な検査の実施と取り違えのない払い出し,医療の最前線ではマニュアル化された輸血,輸液の安全実施の励行,さらには外部,内部による評価点検としてISO15189の認定,病院評価機構の認証,精度管理,ヘモビジランスなどにより,より高いレベルに向けての安全医療の評価,監視が進められています.とりわけ病院内での輸血療法委員会が毎月開催され,常に関連部門との協力のもとで,総合的に安全確保があらゆる角度から推進されています.
まだまだ本邦の病院の置かれた環境はお寒いばかりで,人手不足,設備不備のなかで,いまだに不慣れな医師,技師により実施が余儀なくされていることも少なくなく,輸血過誤が入り込む余地が残されています.輸血部では専門性の高い信頼できる医師,技師を養成し検査を委ねること,職員,学生などを対象とした教育・研修の実施,検査部,輸血部の枠組みを超えて質の向上の裾野が広がりを見せて,ようやくセーフティーネットが張り巡らされ,かなりの効果が得られてきています.
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