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あとがき
伊藤 喜久
pp.794
発行日 2007年7月15日
Published Date 2007/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101262
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特集としてははじめて,不整脈検査を取り上げました.基礎研究から臨床応用に至るまで幅広くバランスよくまとめられており,とりわけ電気生理学,抗不整脈治療,最近明らかにされてきた遺伝子異常などの進歩が濃縮されて,まさにこの領域の今を伝える総説が軒を連ねています.
不整脈は誰もが一生を通じて必ず経験するもの,短時間で自覚症状のないものから,息詰まり喉が絡まる感じ,めまい,意識喪失まで症状は実に多彩,多様です.初めて自らが知覚する瞬間はあるいはかなりショッキングで,心電図の波形を見るにおよび,自身が“なまみ”の人間であることを改めて思い出す,人生の一こまかもしれません.生まれつき,あるいは加齢と裏腹であることから治りにくいものも少なくなく,患者側は一生を通じてお付き合いの覚悟が必要であり,一方,治療する側はいかに患者の予後を延長し,QOLを向上させることが最優先の課題となります.
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