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あとがき
坂本 穆彦
pp.898
発行日 2007年8月15日
Published Date 2007/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101285
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筆者はJICA(国際協力機構)の専門家として子宮頸癌対策プロジェクトに参画し,何度かメキシコを訪問する機会を得た.メキシコはオリンピックを開催するほどの国力があるにもかかわらず,WHOのデータによれば,子宮頸癌による死亡は10万人あたり年間20人を超え,世界的にみても最悪のグループに属している.
メキシコの現状をみると国民の貧富の差がはげしく,全体の半数を占める低所得者層に子宮頸癌の死亡率がより高い.これが国全体の状況を悪いものにしている.保健省(わが国の厚生労働省にあたる)は,検診を受けるとスタンプを提供するなどいろいろな工夫をこらしている.わが国はこれまでも子宮頸癌対策には援助の手をさしのべてきた.その成果をふまえ今度はメキシコが主導するかたちで中米諸国の子宮頸癌対策にのり出すことになっている.
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