特集 病院給食管理の諸問題
研究
肝臓病の食餌療法と病院給食—神戸市立病院給食研究会記録
木島 滋二
1
,
湊川 学
1
,
山田 実
1
,
浜野 忠彦
1
,
鈴木 武定
1
,
織野 俊之
1
1中央市民病院
pp.73-74
発行日 1962年9月1日
Published Date 1962/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201984
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医師の立場から
(A)(浜野)
最近肝臓病の薬物療法はめざましい進歩を示しているが,それに眩惑されて食餌療法をおろそかにしてはならない。食餌療法は,20年前までは全く消極的で,肝庇護を主とする制限食であったが,1941年Patek以来高蛋白,高カロリー食が主流となっている。脂肪についても,昔のように禁止一点ばりというわけではない。
しかし,これは肝臓病のうちで給食数の最も多い慢性肝炎と肝硬変代償期にあてはまるものであるが,同じ肝臓病でも,急性肝炎初期の発熱や食欲低下があるときに,高蛋白,高カロリー食を与えても,食べられるものではなく,また肝性昏睡前期に大量の蛋白質は有害でさえある。肝硬変非代償期で腹水がたまっているときには,食塩の量にも考慮をはらわなくてはならない。
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