主張
病院給食と流通システム
O
pp.637
発行日 1995年7月1日
Published Date 1995/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901545
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先の震災で,厨房が破壊され,長期にわたってライフラインを断たれた病院に対して,給食を受託していた業者が,完全調理済み食品やクックチルと称する急速冷凍保存食品を供給して成果を上げたことが報告されている.平時は医療法などで規制されている院外調理による病院給食が,非常時の緊急対応として,県や医師会の了承を得て行われたものであるという.
災害時の緊急事態であるから当然とも考えられる今回の事例は,実はここ数年にわたって続けられている給食センター方式による院外調理への移行についての論議に一石を投じるものである.医療における食事の位置付けが,国民の食生活の大幅な改善と多様化等によって見直されざるをえず,厨房設置の義務,および院内調理の原則の規制を緩和することの是非が問われていたからである.
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