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病院給食の現状とその改善
岩田 昌一
1
1厚生省栄養課
pp.27-28
発行日 1950年6月1日
Published Date 1950/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200153
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1,病院給食の概況
昭和23年3月から7大都市の1般病院及び全国の結核療養所,癩及び精神病院の入院患者に対して主要食糧及び調味料等の増配が実施されると同時に病院給食実施指導が開始された。当時病院では戦中戦後の食糧事情等の窮迫のため,戦前実施していた病院食事も実施困難となり,患者は病室内外で自炊するところとなり,病院は雑然として不潔を極めた。又患者は自炊を行うために附添,炊事等の経費に莫大な金銭を要し,患者にとつては入院することが大きな負担であつたわけである。これらの悪い状態を排除改善するためにGHQの絶大な援助の下に食糧増配及び病院給食実施指導措置がとられたのであつた。
ついで昭和24年5月よりこれらの措置を押し進め全国のすべての病院(10床以上の診療所を含む)にも適用することとし,食糧増配の水準を若干向上せしめ,病院給食実施の躍進的な前進が企図されたのである。以来中央地方庁,保健所の組織を通じてあらゆる機会をとらえて病院給食の関心向上に努めるとともに,講習会,連絡会等を随時開催してその実施方について病院当事者に対し相談に応じ,援助につとめてきたところである。最近とみに病院給食に関する理解が高まつてき,栄養士の雇用配置が著じるしく増加し,施設の新設或は修理拡充したところが漸時多くなつたことは全く同慶に耐えない。
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