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あとがき
pp.1013
発行日 1958年12月1日
Published Date 1958/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201453
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- 文献概要
いよいよ1958年も終りを告げようとしています。この1年間お互に本当に御苦労様でした。国民の非常に多くの人々が,病院で救われ,なぐさめられました。唯々不幸にも病院から昇天された方々に対しては,謹んで御冥福を祈りましよう。
偖,本年も病院の改善にいろいろの努力が加えられました。病舎の改築,診療棟の改良充実,管理の改善,職員資質の向上と,全国津々浦々の病院に近代化や進歩が見られました。然し何といつても限られた少い予算と経済の中での仕事で,苦闘ともいうべきものであつたでしよう。幸い健保の診療報酬が幾分改善され一息つくことができました。それにはそれとしての協会の努力が払われました。唯遺憾なことは,必ずしも全医界の全幅の了解がえられていないため,問題を残していることは残念です。然し,これは非常にむずかしい問題で今後もお互に勉強をして,医療を与えるもの,受けるものが一致して幸をもたらす制度を考える努力が常に続けられねばならぬでしよう。唯,いろいろふんきゆうした為に,却つて一般の人々に医療問題に関心を持たせたことは大きな收獲であつたのではないでしようか。今年の経験とえられた研究の成果を土台として,来年は更に改善策を講じ病院の医療が,患者のために,われわれの心からの奉仕ができる実質を生む経済と支払の制度のできる日の近からんことを念願致しましよう。
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