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あとがき
pp.555
発行日 1958年6月1日
Published Date 1958/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201383
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赤痢の集団発生が随所に起き始める季節になりました。伝染病は,一般的には非常に少くなつたのですが,赤痢だけは減少しません。この点,日本の文化の基底の低さを物語るものなのでしよう。然し,特に病院に集団発生するということは全くお恥しい限りだと思います。私の病院は大丈夫と思つていても,文化の基底の低い集団を,病院という環境の中にとり込んでいるのですから,八方細心の管理が不断になされねばなりません。その意味で,山形氏の論文を警告としてお受け下さい。
暑夏を迎えて,改めて手術室の冷房を願わないものはありません。——術者にとつても,患者にとつても…。特に最近のように長時間に亘る手術が行われるということになると,手術の成果に直接関係のある条件として当然考えねばならない必須問題です。唯,幸い空気調節の装置が出来て,冷暖房自在の環境が出来ることになつても,空気浄化がはたしてどうであるか知り度いところでその管理は充分に考えて使わねばなりません。菅野氏の実験報告は,その間の事情を明にするもので,有難く参考にさせて頂きましよう。
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