あんてな
人権と精神科作業療法をめぐって
篠田 峯子
1
1国立療養所東京病院附属リハビリテーション学院
pp.52
発行日 1986年1月15日
Published Date 1986/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103494
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いわゆる宇都宮病院事件をきっかけに,厚生省は入院患者の処遇に関するガイドラインを検討し,この10月に発表した.
「通信・面会」,「保護室の使用」および「作業療法」の3項目について検討がなされたが,今回の発表は「通信・面会」のみに限定され,他の2項目は引き続き検討するとされた.このガイドラインは,精神科の病院に入院している「患者の人権を保護する」という趣旨で作成されている.「精神病院入院患者の院外にある者との通信および来院者との面会は,(中略)原則として自由に行われることが必要である」で始まるガイドラインが示すように,憲法上保障されているはずの信書の自由さえ侵されている,あるいは侵されかねないという状況が,いまだに精神病院には存在しているわけである.
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