特集 地域精神衛生活動
発言あり
精神障害者の人権
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pp.745-747
発行日 1975年11月15日
Published Date 1975/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205097
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"歴史の悪",刑法改定
精神障害者の扱われ方は社会と歴史によって異なっている.概して,原始から古代にかけては,洋の東西を問わず,精神障害者が予言者や呪術師として畏敬の対象であったのではないかと思われる.次に文明時代に入ると,例えばヒポクラテスやわが国の養老・大宝律令には精神障害を病気とみなす医学観があったようである.しかし,中世に入り,ヨーロッパでは,抑圧的,禁欲的なキリスト教の支配,身分制度に対する反応として,集団ヒステリー,神秘主義的秘密結社などが現われた.これらには多分に精神障害者を含んでいたと思われるが,支配者は,体制維持と,人民の欲求不満をそらすためもあり,魔女裁判のごとき組織的で残酷な集団虐殺を行なった.
わが国では,精神障害者の大量拘禁・虐殺ということはあまりなかったようで,むしろ,家族の面目を利用して患者を座敷牢に幽閉する方向に進んだ.
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