The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 19, Issue 10
(October 1985)
Japanese
English
特集 整形外科
症例報告
後縦靱帯骨化症の作業療法
Occupational Therapy for Patients with Ossification of Posterior Longitudinal Ligaments
黒岩 貞枝
1
,
浅井 憲義
1
,
小川 恵子
2
Sadae KUROIWA
1
,
Noriyoshi ASAI
1
1国立療養所村山病院
2社会医学技術学院
1Department of Occupational Therapy, Murayama National Hospital.
pp.677-680
発行日 1985年10月15日
Published Date 1985/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103419
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
後縦靱帯骨化症(以下OPLLと略す)はその成因や本態について不明な点が多く,治療の困難さから昭和50年度より厚生省の特定疾患に指定され,研究班によりその成因を解明し,治療体系を確立する研究がされている1,2).
脊柱の後縦靱帯は,椎体の後縁を連結して脊柱のほぼ全長にわたって縦走する長大な靱帯で,本症はその骨化をきたす疾患である.X線上では椎体後縁に並行する骨化陰影をみるのが特徴で,図1に分類を示す.この骨化巣によって脊柱管が狭窄される結果,脊髄および脊髄神経根が圧迫されることが本症の主な問題である.症状は項頸部痛,脊柱の可動域制限,四肢躯幹のしびれ・痛み,知覚障害,運動障害,反射異常,膀胱直腸障害などがある.
治療は保存療法と手術療法がある.作業療法の分野では未だOPLLの治療に関する資料はほとんどなく,当院でもその臨床症状から脊損に準じたプログラムを組んでいる.
村山病院で昭和56年以降にOPLLの診断で作業療法の処方が出されたのは18例である.うち15例は頸椎(男15:0女),3例は胸椎(女2:1男)で,不全四肢麻痺が14例,完全麻痺が4例である.年齢は39歳~77歳で平均年齢58歳(60歳以上7例)である.他院での手術例も含めて11例に手術療法が行われている.作業療法の処方内容はADL14,機能的OT10,家屋改造他12(重複加算)である.次に症例を供覧する.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.