カラーシリーズ
後縦靱帯骨化のマクロとミクロ
佐々木 正
1
1川崎市立川崎病院整形外科
pp.1056-1059
発行日 1979年11月25日
Published Date 1979/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906012
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後縦靱帯骨化はすでに古くKey(1838)により記載されている.その後,本症は全くかえりみられることがなかった.月本(1960)が頸椎後縦靱帯骨化による脊髄麻痺の1剖検例を報告して以来,本症は徐々に注目されるようになり,最近では種々の面から活発な研究が行われている.しかし,本症の病態は十分に解明されるに至っていない.
X線写真上,後縦靱帯骨化は頸椎,胸椎,腰椎の高位によりその形態を異にする.これは主として高位により後縦靱帯の構造に差があるためと考えられる.頸椎,胸椎後縦靱帯骨化の併存が稀でないことからもその本態は同一と考えてよい.本稿では後縦靱帯骨化のマクロとミクロの所見を骨化の完成した時期(停止期),活動期(増大期),初期の順に述べる.骨化の完成した時期,活動期の所見についてはほぼ共通した見解が得られているが骨化初期像,特に,骨化発生機序については議論が多い.
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