講座 難病・4
後縦靱帯骨化症
山本 謙吾
1
,
三浦 幸雄
1
Yamamoto Kengo
1
1東京医科大学整形外科
pp.277-287
発行日 1998年4月15日
Published Date 1998/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105053
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疾患の概念
脊柱靭帯の骨化については,1925年Knaggs1),1942年Oppenheimer2)の報告などに始まるが,脊柱靭帯骨化により脊髄圧迫や脊髄神経根障害を招来する病態が理解されたのは比較的最近のことである.我が国では,1960年に月本3)が頸椎後縦靭帯骨化症の1剖検例を報告して以来,頸椎の後縦靭帯骨化症(OPLL)が注目され,1975年厚生省特定疾患に指定され,後縦靭帯骨化症調査研究班が発足した.
その後,後縦靭帯骨化症は,前縦靭帯,黄色靭帯などの脊柱諸靱帯の骨化をしばしば合併することが知られ,また頸椎後縦靱帯骨化に胸椎,腰推の靭帯骨化を合併することも稀ではないことが分かり,1981年には脊柱靱帯骨化症調査研究班と改められ,多方面での研究が進められている.
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