Japanese
English
特集 障害者の性と結婚
脳卒中の性の問題
Sexual Problem of the Stroke Patients
三島 博信
1
,
松井 正
1
,
山本 干
1
Hironobu MISHIMA
1
,
Tadashi MATSUI
1
,
Motomu YAMAMOTO
1
1農協共済中伊豆リハビリテーションセンター
1Nakaizu Rehabilitation Center.
pp.763-768
発行日 1982年11月15日
Published Date 1982/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102737
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Ⅰ.まえがき
近年,脳卒中の発病率は減少する傾向にあるが,それ以上に,死亡率が減少しているので,有病率は老齢人口比にほぼ比例して,確実にふえ続けている.また,平均余命は,初回発作後5年以上の生存が50%,10年以上の生存が25%である.つまり,脳卒中発作は,かならずしも高齢者にのみおこるものではないが,後遺症を残しながらも,長期間,生存するものが多くなり,脳卒中片麻痺患者の平均余命は,50歳台から60歳台に移り,次第に高齢化への傾向を示している.
また,片麻痺患者のリハビリテーション阻害因子として重視されなければならないものは,身体的運動機能障害よりもむしろ高次脳障害を中核とする精神的機能障害にあるということは,周知のとおりである.佐倉市の実態調査1)では,寝たきりの身体障害者の66%が片麻痺であり,そのうち,全くベッドから起きあがれないものは,左片麻痺のものに多く,右片麻痺の2倍であった.これは,視空間失認の関与の大きいことを物語っているものといえよう.
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