論述
下肢痙性麻痺に対する手術療法
三島 博信
1
Hironobu MISHIMA
1
1洞爺協会病院リハビリーテーション部
pp.206-215
発行日 1976年3月25日
Published Date 1976/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905321
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まえがき
近年になつて中枢神経障害による痙性麻痺肢に対する観血的治療が再び活発に行なわれるようになつていますが,その背景にはリハビリテーション医学の普及とその技術的向上とがあると思います.また,日本人の生活様式の多様さと複雑さとが患者のニードを高めていることも否定はできません.しかし,これらの整形外科的手術の効果には自から限界があります.リハビリテーション治療におけるこれらの手術の果たす役割とその評価については慎重でなければならないと考えております.実際に,手術のみでよい結果を期待することは困難で,理学療法や作業療法との併用が重要であり,必須のものだといえましよう.
ここでは,おもに,脳血管障害や脳外傷による片麻痺の下肢に対する手術療法について,これまでの経験とその追跡結果について報告したいと思います.
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