The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 15, Issue 10
(October 1981)
Japanese
English
特集 脳血管障害
脳卒中に対する地域リハビリテーション活動―通所施設としての役割を中心に
Comminity Rehabilitation Services for Stroke (The Role of Day Service Center)
浜村 明徳
1
,
宮岡 秀子
Akinori HAMAMURA
1
,
Hideko MIYAOKA
1国立療養所長崎病院理学診療科
1National Nagasaki Hospital.
pp.867-877
発行日 1981年10月15日
Published Date 1981/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102498
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Ⅰ.在宅脳卒中患者の抱える問題
在宅身障老人の問題は,「老齢」と「障害」という2つの側面からとらえられる.
一般に,人と人との相互関係は,そこに所属している各個人の持つ役割を通じて作り上げられているが,老齢化は,職業生活からの引退や家庭内労働の縮小を契機に,それまでの人間関係(社会関係)に著しい変化をもたらす.この役割の縮小,喪失によって,周囲の人々は,老人の存在価値を低く見るようになると共に,老人自身も自己の存在価値を見い出せない(Self-identityの喪失)傾向を呼び起こしてゆく.したがって,老後の生活を意義あるものにするためには,新しい活動(役割)を見い出し,それを通じて,新たな人間関係を構築してゆく事が課題となるが,現実的には,すでに老齢であるという事実が,老人に新たな役割適応に対する意欲の喪失をもたらすと同時に,周囲の期待感も減少させている.
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