Japanese
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特集 一般病院におけるリハビリテーション
病院を中心とした地域リハビリテーション活動―脳卒中を中心に
Community Rehabilitation for the Stroke from the General Hospital.
浜村 明徳
1
,
浜田 輝一
1
,
宮岡 秀子
1
,
奥村 愛泉
2
,
浜中 博之
2
Akinori Hamamura
1
,
Teruichi Hamada
1
,
Hideko Miyaoka
1
,
Yoshimoto Okumura
2
,
Hiroyuki Hamanaka
2
1国立療養所長崎病院理学診療科
2長崎市民病院理学診療科
1Department of Rehabilitation Medicine, National Sanatorium Nagasaki Hospital.
2Department of Rehabilitation Medicine, Nagasaki City Hospital.
キーワード:
脳卒中
,
地域リハビリテーション
,
システム
Keyword:
脳卒中
,
地域リハビリテーション
,
システム
pp.971-979
発行日 1982年11月10日
Published Date 1982/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104845
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はじめに
病院におけるリハビリテーション治療を終了しても,全ての問題が解決され自立した生活が期待される人ばかりではない.保護された環境である病院内で生活が自立し障害を受容する事は,院内リハビリテーションのゴールではあるが,リハビリテーションの理念とする「復権」1)や「生活の再建」2)は,実生活の中で達成されねばならないという運命を持っている.
障害が重く退院後の指導を要する人,家族問題や経済的問題などを抱え具体的支援がなければ在宅生活を維持できない人など,退院後に引き続き地域の援助が必要な人もいる.一方,十分なリハビリテーション治療を受けられずに在宅生活を余儀なくされている人もある.この様な状況を反映し地域におけるリハビリテーション活動の必要性が叫ばれつつあるが,制度も確立されておらずスタッフや施設も乏しい状況の中で,どのようにしたら長期に渡る在宅生活を健康的に維持させられるのか,皆目見当がつかない現状である.
しかし,自ら治療した患者が見す見す不幸な転帰をたどることが予期されながら,傍観することも許されない.長崎では,同じ思いの関係者が自主的に協力し合い,現在の医療・福祉制度の中で可能な事から実行しようという試みが始って7年を経過した.この困難な作業は,きたるべき20~30年後の老人社会を見据えた息の長い活動として持続してゆかねばなるまい.
今回は,これまでの活動の中で経験した在宅脳卒中患者の生活を紹介することから,地域括動に求められる援助のあり方,また長崎における地域活動のシステムや現状について述べる.
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