特集 教育
<随想>私の教育信条
学校教育の立場から
山口 鞆音
1
1九州リハビリテーション大学校
pp.437
発行日 1981年4月15日
Published Date 1981/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102383
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学校教育の経験はまだ浅いのであるが,私には臨床の体験を通して常に感じ,今では信念ともいえるまでになっているものがある.それは“人間への関心を持ちつづける”ということである.たしかに人は他人の痛みを痛みとして感じることはできないが,少なくとも自分の体験を通して痛みを僅かでも感じることはできると思う.そのためには自分の気持ちがその相手に向っていることが大切だと思う.相手に向って開かれた心・思いやりのある心,つまりは人間性ということになるが…….
医学は目覚ましい発展を続けているが,昨今,医の倫理性に反する多くの問題を見聞きする.その中にあってリハビリテーション医療は“人間の尊重”という理想的な目標を掲げている.本来の医療のあり方に,より近づこうとするこの分野で,将来仕事をしようとする学生にとって,とくに求められるものはその“人間性”にあると思う.
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