◆特集 作業療法士の養成教育—現状と問題点
専修学校教員の立場から
陣内 大輔
1
1熊本リハビリテーション学院
pp.25-31
発行日 2005年2月15日
Published Date 2005/2/15
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はじめに
我が国における作業療法士養成教育の歴史は,昭和38年の国立療養所東京病院附属リハビリテーション学院開校に始まり,昭和40年の理学療法士作業療法士法の成立,翌年の第1回国家試験実施と連続している.以来,約40年が経過したが,その間に大学および大学院の設置,単位制の導入や教育課程の大綱化,ここ数年の作業療法士養成施設急増と教員不足,臨床実習施設不足など,その変化や課題は枚挙にいとまがない.近頃,作業療法教育に関わる方との議論や教育現場で感じることは,これまでの作業療法生徒・学生への直接的教育の視点,例えば教育方法論や臨床教育,情意領域の教育(生徒指導等)に関することなどに加え,それを支える教育環境としての間接的教育(基本的運営や経営)の視点,例えば入学志願者・作業療法教員・臨床実習施設確保,教員の質の向上を図る研修や研究の保障などの事項が増加してきたことである.冒頭からやや辛辣な表現で恐縮であるが,特に専修学校においては間接的視点での課題も大きく,すでに市場原理が働き自己責任原則の下に各養成施設間での無言の競争が始まっている.「勝ち組みと負け組みが明確になる日も近い」,「しっかりした教育ができなければ自然淘汰される」などの声を耳にすることも増えた.
ここでは作業療法士養成教育を取り巻く現状と問題点,主として専修学校および専修学校教員として抱えている間接的視点からの課題について述べる.
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