特集 教育
<随想>私の教育信条
臨床教育の立場から
渡辺 隆
1
1聖ヨゼフ整肢園
pp.438
発行日 1981年4月15日
Published Date 1981/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102384
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臨床教育は,専門家を育てるためにその専門性において,未成熟な学生の心身の諸機能を発達させる目的で,それに必要な刺激や影響を一定の方法で一定期間続けて与えることであり,長期記憶を前提にして推進されるべきものである.
本来,教育には4つのパターンがあると考えている.その第1は,理解の段階,第2は,思考の段階,第3は判断の段階そして最後は,表現の段階である.すなわち,理解の段階は,学校で習う頭の医学だろう.その頭の辞典から適当な事象を抽出して,患者にあてはめるのが思考段階である.あてはめて考えた結果をまとめて,問題を集約し結論づけるのが判断の段階で,この問題解決のための表現方法として治療テクニックが重要になる.したがって,技術的なことは,学問のプロセスの表現であり,まず“視る能力”,“フィーリングの能力”を十分に学習しなければならない.
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