特集 臨床との連携で効果をあげる看護教育
学校と臨床との連携による一貫教育をめざして―茨城県立つくば看護専門学校と筑波メディカルセンター病院の取り組み
臨床現場との一貫教育への取り組み―看護学校の立場から―
広瀬 礼子
1
1茨城県立つくば看護専門学校教務部
pp.862-865
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100380
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はじめに
臨地実習の場面では,在院日数の短縮や患者からの承諾など制約が多くなっている一方で,卒業後に求められる内容は高度になっている。看護教育における臨地実習の意義を,金子1)は「講義で学んだ看護と,実践で学んだ看護とが一致し,実習という体験をとおして看護に対する認識を深める」と述べている。卒業後の新人看護師のストレス2)としては,基礎教育と臨床の現場での看護技術のギャップや今後に関する不安などが原因で,やる気の低下につながっている。学生にとって,臨地実習は重要な学びの場であり,効果的な臨地実習を行うためには臨床との連携が重要である。学内で学習した内容を臨地実習でも一貫して学習することがより効果的である。
茨城県立つくば看護専門学校(以下,本校)は,1989(平成元)年に公設民営の形態をとり,財団法人筑波メディカルセンターに運営を委託されている看護師3年課程(全日制)の看護学校である(表1)。本校の教育では,看護診断を取り入れて思考過程を強化するとともに,実践能力にも優れた看護職の育成をめざしている。
本稿では,臨床現場との一貫教育の取り組みの実際を,重症病棟(以下,HCU),集中治療室(以下,ICU)実習の場面を取り上げ報告する。
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