Japanese
English
研究と報告
Auto Dilute法による下肢運動時の酸素消費量の測定
Oxygen Consumption During Leg Exercises as Measured by the Auto Dilute Method
丸山 仁司
1
,
池谷 義道
1
,
高島 耕
1
,
秋山 純和
1
,
中山 彰博
1
,
金子 直子
1
Hitoshi MARUYAMA
1
1Dept. of Rehabilitation, Tokyo Metropolitan Itabashi Nursing Home.
pp.841-847
発行日 1980年12月15日
Published Date 1980/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102283
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はじめに
酸素消費量(以下O2量と略す)の測定はリハビリテーションのあらゆる領域,特に心疾患では運動強度の決定,消費カロリー,体力の判定などに重要である.しかし,従来のマスクやマウスピースによる呼吸摂取法は中年者まではともかく,高年者では「呼吸もれ防止」が非常に難しく,また被験者の苦痛や不快などにより呼吸の異常が生じやすい.このような障害を除くため,最近,希釈酸素消費量測定法が開発された.すなわち,被験者は頭部を呼吸フード内に入れて自由に呼吸が出きるので,睡眠も妨げられず,しかも臥位での色々の運動状態におけるO2量,特に定常状態に関係なく測定が可能となる.この希釈酸素消費量測定法と従来の基礎代謝測定に用いられたSanwa Spirometer 3100とを比較した結果,非常に顕著な相関(r=0.90以上)を得ている1).またO2量の測定には既に多くの研究がなされているが,それらはもっぱらADL,労働,作業時の測定であり,PTが行う基礎的な運動時の測定は少ない状態である.
今回は下肢の基礎運動である股関節屈曲,外転,伸展などのO2量の測定を主眼とし,RMR,METS,カロリー(Cal/kg)を求め,成人,老人,障害者の比較,運動回数による変化,重量負荷による変化,左右下肢の相関性,O2量と心拍数との関係について検討した.
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