短報
主観的作業強度(RPE)の老年者への応用
丸山 仁司
1
,
池谷 義道
1
,
中山 彰博
1
,
秋山 純和
1
,
福田 敬三
1
,
高島 耕
2
,
徳田 哲男
3
1東京都板橋ナーシングホームリハビリテーション室
2東京都養育院付属病院
3東京都老人総合研究所
pp.652-654
発行日 1982年9月15日
Published Date 1982/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102702
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はじめに
運動負荷(物理的負荷)に対する身体の反応として生理的反応と主観的反応がある.生理的反応は酸素消費量,呼吸数,換気量,心拍数,血圧,心拍出量など多くの測定指標があり,物理的負荷との関係,また各指標間の関係など多くの研究がなされている.一方主観的反応は負荷により生体が受ける感覚(主観)的な反応である.その1つとして,Borgらは主観的作業強度Rating of Perceived Exertion(RPE)と呼ばれる言葉と数字尺度からなるcategory rating scaleを作製した.これは若年者の安静心拍数である60拍/分から最高心拍数の200拍/分までの間を15段階(6点から20点)に分割することで,RPE×10が心拍数に相当するような尺度構成となっている.日本でも小野寺らによりRPEの日本語表示法が試案され,全身持久性運動による主観的強度と客観的強度の対応性が報告されている.しかし,これに採用される運動負荷量としてはVO2maxに近い負荷までが用いられ,かなりきつい運動が行われている.
今回我々は成年および老年者に対して,日常生活程度の軽い負荷時のRPEを測定し,生理的反応の結果と比較検討した.しかし,老年者に対しては最高心拍数の減少などにより心拍数との対応性が困難であると考えられる.そこで年齢因子を配慮したRPEを作製したので報告する.
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