徹底分析シリーズ 酸素:ヒトの強い味方,酸素を理解する!
酸素消費量測定の有用性
国元 文生
1
,
金丸 良範
1
Fumio KUNIMOTO
1
,
Yoshinori KANEMARU
1
1群馬大学医学部附属病院 集中治療部
pp.254-257
発行日 2008年3月1日
Published Date 2008/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100052
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酸素消費量は生体の活動度を示す。二酸化炭素産生量を同時に測定すれば生体のエネルギー消費量を算出することができ,また,呼吸商(RQ)からはエネルギー基質として糖と脂肪がどの程度の比率で利用されているかがわかる。酸素消費量を測定するには大きく分けて,間接熱量計,Fick法,質量分析装置を用いる方法の3種類があり,それぞれ利点と欠点がある。ショックを離脱した患者でも低灌流領域が残存する場合には,そのままにしておくと臓器不全が進行し患者予後は悪化する。このような患者では,治療後の全身酸素消費量増加は虚血領域の改善を意味することになる。かつて,敗血症などの重症患者では低灌流領域の存在が予想されることから,正常値以上に心拍出量を増加させる治療法を推奨する論文が発表された。しかし,後に測定法の問題点が指摘され,大規模研究では予後に関して否定的な結果が報告された。
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