Japanese
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第7回「理学療法と作業療法」賞・受賞論文
準入賞:トレッドミル負荷に対する循環系反応の基礎的検討と障害老年者の運動療法(トレーニング)の効果について
Circulatory Responses to Treadmill Exercise and Effects of Training in on Disabled Elderly Persons
丸山 仁司
1
,
中山 彰博
1
,
金子 直子
1
,
金子 美奈子
1
,
梶村 由美子
1
,
尾賀 幹
1
,
池谷 義道
2
,
秋山 純和
3
,
徳田 哲男
4
,
福田 敬三
5
Hitoshi MARUYAMA
1
,
Akihiro NAKAYAMA
1
,
Naoko KANEKO
1
,
Minako KANEKO
1
,
Yumiko KAJIMURA
1
1東京都養育院板橋ナーシングホームリハビリテーション室
2谷津保健病院リハビリテーション科
3結核研究所付属病院理学療法室
4東京都老人総合研究所リハビリテーション部障害研究
5東京都立府中リハビリテーション専門学校
1Department of Rehabilitation, Tokyo Metropolitan Itabashi Nursing Home.
pp.871-877
発行日 1982年12月15日
Published Date 1982/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102764
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はじめに
運動療法の目的は大別して2つ考えられる.1つは質的なもので,たとえば,中枢性疾患などにおいて分離動作を修得させることである.他の1つは量的なもので,耐久的,体力をつけることにより循環系・呼吸系の改善を目差すことである.片麻痺の歩行訓練を考えた場合,質的なものとして歩行パターンの改善,量的なものとしては歩行距離の延長,ということになる.
今回,運動量と最も関係が深い測定指標(心拍数,血圧)を求めるために,成年群,障害老年群に対して,トレッドミルにより運動負荷を行い,その際の酸素消費量,心拍数,血圧を測定し検討した.運動療法の効果判定に最もよく用いられる指標として最大酸素摂取量(以下VO2maxと略す)がある.老年者のVO2maxを実際に測定することは危険であるため,最大下運動時の酸素消費量と心拍数から推定した.しかし,日常生活動作程度の軽い負荷でVO2maxの推定が適当かどうかをみるために,成年男性に対してトレッドミルによるオールアウト負荷時の酸素消費量などを測定し推定値と比較した.また,障害老年者に対して訓練効果をみるために運動負荷テスト,および血液性状の変化,特に,高比重リポ蛋白(High Density Lipoprotein,以下HDLと略す),低比重リポ蛋白(Low Density Lipoprotein,以下LDLと略す),中性脂肪,HDL/LDLなどを追跡して調べたので併せて報告する.
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