特集 ファシリテーション・テクニック(2)
<感想>
脳性麻痺の治療に対するファシリテーション・テクニック
佐竹 孝之
1
1別府整肢園
pp.405
発行日 1979年6月15日
Published Date 1979/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101923
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ファシリテーション・テクニックについて以下二三の点について感想を述べる.
1.ファシリテーション・テクエックの混乱
わが国でファシリテーション・テクニックといえば,Fay,Kabat,Rood,Brunnstrom,Bobath,Vojtaなどの名が挙げられ,これらの人々が,個々独白に発展せしめた治療手段とその基礎となる理論体系が想定される.そして,固有名詞を付された「何々法」は,それぞれ,同じ中枢性の運動障害を対象とし,それぞれに論理的に整合性を有しながら,相互に独立し,中には矛盾した体系として存在する.たとえば,Vojtaの治療手技では抵抗は重要な意義をもつが,Bobathは抵抗を与えることは異常な筋緊張を高めるとして,むしろ禁忌とする.しかも,それぞれが脳性麻痺の早期治療法として有効とされるのである.
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