Japanese
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特集 ファシリテーション・テクニックの再検討
片麻痺に対する“いわゆるファシリテーション・テクニック”批判
My Criticism of the So-called “Facilitation Techniques” in Hemiplegia.
三好 正堂
1
Seido Miyoshi
1
1遠賀浅木内科医院
1Onga-Asagi Clinic.
キーワード:
ファシリテーション批判
,
片麻痺
Keyword:
ファシリテーション批判
,
片麻痺
pp.185-192
発行日 1986年3月10日
Published Date 1986/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105556
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はじめに
「いわゆるファシリテーション・テクニック(以下FTと略す)*注」と総称される治療法の有効性について議論のあるのは周知の事実である.筆者は従来,「いわゆるFT」に否定的であることを表明してきた.しかしわが国では,片麻痺の評価法としてBrunnstrom法は定着しており,治療手技としてのBrunnstrom法,Bobath法,脳性麻痺に対するBobath法,Vojta法は広く普及している.
効果の証明されていない「いわゆるFT」がこれほど普及し,高い人気を受けていることは異常な現象といわなければならない.何よりも,リハビリ医学が科学性に乏しいレベルに低迷することを懸念する.リハビリ医学会に出席した人たちの感想の一つに「レベルが低い」というのを聞くが,日常診療で最も繁用されている治療の有効性について検討を怠り,どうしてリハビリ医学の学問的飛躍を期待できようか.
とはいえ,筆者自身もその検討を怠ってきた一人であり,本稿において比較研究の結果を報告できないのが残念である.しかし「いわゆるFT」には,対照試験を行うまでもなく指摘すべき問題点が多い.今後,各流派の治療手技が客観的,批判的に評価され,より優れた治療法が確立されるよう,問題提起にでもなればと願い執筆を思い立った.
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