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特集 内部疾患の理学療法・作業療法
尿路合併症を持つ身体障害者の理学療法・作業療法上の注意
Special Care for Urological Troubles in Rehabilitation Training
増田 聰子
1
,
宮崎 一興
1
Satoko MASUDA
1
,
Kazuki MIYAZAKI
1
1神奈川県総合リハビリテーションセンター
1Urological Department, Kanagawa Rehabilitation Center.
pp.469-474
発行日 1978年7月15日
Published Date 1978/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101712
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緒言
脊髄疾患以外でも神経疾患を有する身体障害者は排尿障害を合併していることが多い.
神経系統に起因する麻痺膀胱を神経因性膀胱と総称し,脳疾患に起因するものを脳膀胱,脊髄疾患に起因するものを脊髄膀胱に分ける.症状としては残尿,排尿困難,尿閉,尿失禁などである.排尿直後膀胱に残っている尿を残尿といい,神経因性膀胱にはほぼ全例に残尿を見る.残尿量が20mlを越えると感染を起こしやすくなり,感染により尿路が形態的に種々の変化を示す.また感染尿は起炎菌によって尿のpHをアルカリ性にするため,塩類尿となり尿路結石の合併頻度も高くなる.受傷または発病初期から尿路の管理を良好に保ち,なるべく短期間のうちに機能不全に陥った膀胱機能を最大限まで回復させることにより種種の合併症を防ぐことが出来る1).止むを得ず尿路合併症を来たした患者について理学療法,作業業療法時の注意を簡単に述べてみたい.
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