Japanese
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特集 内部疾患の理学療法・作業療法
ベーチェット病の運動療法
Therapeutic Exercise for Behcet's Disease
滝野 勝昭
1
Katsuaki TAKINO
1
1帝京大学医学部付属病院
1University of Teikyo Hospital.
pp.475-481
発行日 1978年7月15日
Published Date 1978/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101713
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Ⅰ.はじめに
ベーチェット病(Behcet's disease)あるいはベーチェット症候群(Behcet's syndrome)は眼,口腔粘膜,皮膚,陰部症状の4主徴と,この他に関節,腸管,血管,神経等の主要な副症状が出現する難治性の疾患であることは周知のとおりである.
本症は1937年,トルコのイスタンブール大学皮膚科のH.Behcet教授が発表し,この疾患名が生まれたが同様の症例報告は,彼の症例報告以前にも諸家より記載されている.
ベーチェット病の発生地域は中近東,地中海沿岸諸国に多く見られ,これに比して日本やアメリカ大陸等では稀な疾患とされていたが,近年,日本でも多発の傾向があり社会的にも少なからず問題を投じている.
発症年齢は20~30歳の青壮年層に多発し,しかも女性と比較して男性の罹患率が高い.
経過は可発を繰り返し,視力は発病から4年経ると失明者と指数弁の双方で70%の高率となる.しかも病状は終局に至ったとはいえず,その後も神経症状,血管症状,腸管症状等が合併され死の転機をとることさえ稀でない.
本稿はリハビリテーション医療と関連性が強い神経ベーチェット症候群と関節型ベーチェット症候群の運動療法について記述したいのであるが,ここでは先ず前者の特に対麻痺型を中心にして述べてみたい.
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