Japanese
English
特集 片麻痺のリハビリテーション
片麻痺の排尿障害について
Urinary Disturbances in Patients with Cerebral Vascular Accidents.
宮崎 一興
1
,
石堂 哲郎
1
,
増田 聰子
1
Kazuoki Miyazaki
1
,
Tetsuro Ishido
1
,
Satoko Masuda
1
1神奈川県総合リハビリテーションセンター泌尿器科
1Department of Urology, Kanagawa Rehabilitation Center.
キーワード:
脳血管障害
,
排尿障害
,
脳膀胱
Keyword:
脳血管障害
,
排尿障害
,
脳膀胱
pp.723-727
発行日 1978年10月10日
Published Date 1978/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104049
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はじめに
片麻痺の排尿障害はさまざまの形で患者のリハビリテーション,社会復帰を阻害し,一方では患者の治療,看護にあたるメディカル,パラメディカルスタッフや,施設,家庭における介護者を悩ませる問題であるらしい.
排泄の自立はあらゆる身体障害者のリハビリテーションの第一歩であり,中でも排尿機能は休みなく働いている臓器だけに問題ほ深刻である.
それにもかかわらず,片麻痺の排尿障害メディカルに問題視されることは比較的少ないし,われわれ泌尿器科医の中でも,この問題に真剣に取組む人は少ない.これは,片麻痺にある程度排尿障害が伴うのは止むを得ない,あるいは治らないというあきらめに似たような考えが基盤にあるからであろうか.
片麻痺の急性期は一般に強い排尿障害を示すといわれているが,泌尿器科医が早期からこれに対処するという機会はほとんどないし,多くのリハ施設の中で,泌尿器科医が片麻痺者の全部の排尿状態を観察,治療するということは事実上不可能に近いのが実情である.
一方,脳の神経生理,薬理学的メカニズムがかなり解明されてきたとはいえ,その複雑さと難解なことはわれわれを当惑させるし,実際の臨床像と結ぴつかないことも多い.
片麻痺の排尿障害を論ずるにあたって,改めて排尿の神経生理,特に脳内コントロールの問題を整理し,臨床症状を理解し,更に治療方針を把握する必要性が感じられる.
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