Japanese
English
シンポジウム
脊髄損傷に基因する尿路障害に対する手術療法の適応と限界
The Role of Surgery in the Urological Disorders of Spinal Cord Subjects
辻 一郎
1
,
緒方 二郎
2
,
宮崎 一興
3
,
小柳 知彦
4
,
大沼 徹太郎
5
,
中新井 邦夫
6
,
岩坪 暎二
7
Ichiro Tsuji
1
,
Jiro Ogata
2
,
Kazuoki Miyazaki
3
,
Tomohiko Koyanagi
4
,
Tetsutaro Ohnuma
5
,
Kunio Nakaarai
6
,
Eiji Iwatsubo
7
1北海道大学医学部泌尿器科学教室
2熊本大学医学部泌尿器科学教室
3神奈川県総合リハビリテーションセンター泌尿器科
4北海道大学泌尿器科学教室
5東北大学医学部泌尿器科学教室
6星ヶ丘厚生年金病院泌尿器科
7総合せき損センター泌尿器科
pp.537-550
発行日 1980年6月20日
Published Date 1980/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202965
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本論文は,1979年10月別府市で中村裕氏を会長として開催された第14回日本パラプレジア医学会のシンポジウム「尿路障害に対する手術療法の適応と限界」の要旨である。
外傷性か非外傷性かを問わず脊髄障害患者の社会復帰のkey pointが,脊損神経因性膀胱とその続発腎・尿路病変の対策いかんにあることはいうまでもない。脊髄病変が固定期に入つて各種保存的療法にかかわらず効率のよい自排尿能力がえられず続発尿路病変も進行性の場合の対策として,従来いろいろな泌尿器科的あるいは神経外科的手術療法が提唱されているが,各術式の適応と成績評価については諸家の意見にかなりの違いがみられる。この問題はパラプレジア医学会の主要テーマとして既にたびたびとりあげられているが,最近数年間に下部尿路の機能・構造に関する新知見(特に従来看過されていた交感神経系の重大な役割)が次々と明らかにされそれに基づく新たな薬物療法が開発され,また一方神経因性膀胱に対する間歇的自己導尿法が広く普及してきた現在,脊損尿路障害に対する手術療法の適応と評価も新たな観点から再検討されねばならないわけであり,今回のシンポジウムもこの意味で時機をえたものと思われる。
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