Japanese
English
特集 職業前評価と就労
頸髄損傷者の職業前評価の傾向と就労
Prevocational Exploration of the Cervical Cord Injured
寺山 久美子
1
Kumiko TERAYAMA
1
1東京都心身障害者福祉センター
1Tokyo Metropolitan Rehabiltation Center for the Physically and Mentally Handicapped.
pp.659-663
発行日 1977年9月15日
Published Date 1977/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101543
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Ⅰ.頸髄損傷者の就労の条件
東京都心身障害者福祉センターでは,過去さまざまな形で頸髄損傷者を扱ってきた.理学療法,作業療法,職能訓練,施設入所のための判定,住宅相談・判定,結婚相談,重度手当などそのサービス内容は多岐にわたるものであった.それらのケースを通して,頸髄損傷者の就労の条件は,ほぼ次の5つに要約できるのではないかという予測をもつに至った.(ただし,これはあくまで東京都という状況の中での予測である.)①年齢が若いこと,②車椅子でのADLが自立していること,③褥瘡の自己管理ができ,体調が安定していること,④在宅就労の場合は自宅が車椅子者用にできていること,⑤障害受容ができており,就労意欲があること.それにはほぼ5年以上の期間を要せざるを得ない.そこでこの予測の妥当性を調べるために,当センターを訪れた頸損者につき就労群と非就労群に分けて比較検討を行った.
昭和43年4月~51年3月までの8年間に当センターを訪れた頸損者のうち,記録から情報収集の可能であった50名につき調査を行った.対象者のグループ分けおよび人数は次の通りである.
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