職業能力評価と就労支援

Evaluation of Vocational Ability and Support for the Employment of People with Traumatic Brain Injury.

はじめに

　脳外傷者は若年あるいは働き盛りの年齢の男性に多く，就労が社会参加の重要な課題となるが，脳外傷の後遺症として，身体障害，認知・記憶障害，心理・社会的適応困難などにより就労が困難な例が多いと指摘されている．また，受傷前の職業経験や生活態度も就労の可能性に影響を及ぼすことが考えられる．

　ここでは，労災認定を目的に東京労災病院を受診した脳外傷者の就業実態調査結果から，就業可能者と就業困難者の比較を通して，どのような脳外傷者が就労可能であるかを明らかにするとともに，就労困難な脳外傷者を支援するための職業リハビリテーションプログラムについて紹介する．