Japanese
English
特集 義肢
筋電々動義手に対する訓練
Training of bioelectric upper extremity prosthesis
高梨 美和子
1
,
関 美佐子
1
Miwako TAKANASHI
1
1中央鉄道病院リハビリテーション室
pp.501-506
発行日 1976年7月15日
Published Date 1976/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101250
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Ⅰ.はじめに
中央鉄道病院リハビリテーション室で行っているVA-NU筋電々動義手装着の過程を訓練を主体として紹介する.
この義手は,米国Vetrans-AdministrationとNorth Western大学とが共同開発したものでありFidelity社がVA-NU筋電々動義手(図1)として市販している.
我々はこの義手を,1973年に入手し,実験を試み,現在までに,前腕切断者6人に装着をし,フォローを続けている.
VA-NU筋電々動義手は,筋収縮時の筋電を信号とし,充電された電池よりの電力を力源にして,ギヤ変速方式で,拇指,示指,中指の三指を駆動させる(図2).
義手本体の長さは22.5cmで,重さは750gである.拇指と示指―中指間の最大開きは,9cm,ピンチ力は11kgで,指伸展の方向へ約20kg以上の外力が加った時は,指が過伸展になるような安全装置がついている.ソケットのタイプはNorth-Western型を使いハーネスはいらない.バッテリー,制御機構,駆動部分がすべて一緒に義手内部に入っているので,ワイヤー,コネクター,スイッチ,電極が全く露出していない.筋電信号採取の電極と接続線をソケット内に埋めこむ形式をとる.制御機構は,筋緊張の度合により,力を連続的に変えることのできる,比例制御方式を採用しているので,フィード・バックがかかりやすい.充電時間は,約90分である(但し117Vの場合).また,操作時の雑音は低く,ほとんど気にならない.
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