9．義手（能動義手，筋電義手，装飾義手，作業用義手）

はじめに

義手は機能や目的により能動義手，筋電義手，装飾義手，作業用義手の大きく4つに分けられる．ユーザーが手先具や肘継手を随意的にコントロール可能な義手は能動義手と筋電義手である．主に外観を補完する目的で使われるのが装飾義手である．作業用義手は特定の作業に特化した義手である．

わが国の医療保険制度や労災保険制度では，医師は治療用の義手（訓練用仮義手）として能動義手を処方することが可能である．治療を終えて症状固定の状態になると，障害者福祉や労災保険の制度のもと能動義手以外にも筋電義手や装飾義手，作業用義手が支給可能となる．

本稿ではそれぞれの義手の特徴と違いについて解説し，それらを実生活で活用するために必要な義手のリハビリテーションについて解説する．義手は成人用と小児用で使用目的や使用場面が異なってくるため，ここでは成人用の義手を解説する．