とびら
第2のとびら
関川 博
1
1東京警察病院
pp.338-339
発行日 1975年6月15日
Published Date 1975/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101020
- 有料閲覧
- 文献概要
“健康とは精神,身体の平衡状態であり,それは周囲の条件によって左右され易いものである”とDr Kurt-Alphons Jachheimは一般的な健康の概念をのべている.人々が健康でありたいと思う心は皆同じであろう.健康への欲求が,医学の進歩を促し,リハビリ医学の開発へとつながった.だがリハ医学といえども万能の神ではなく,一定の治療経過後に障害を残したままこれ以上の改善は不可能に近い,ということで施設から退院を求めている.
障害を持った人々の行先は楽観したものではなく,周囲の環境を考えるとき,無条件で退院していく人は少ない.大部分の人は何等かの形で条件の不満を訴え,第2第3の施設を求めてうつるケースが多い.この訴えはどこからくるのだろうか.社会的環境の不備,家族構成の経済的不安,障害者の身体的条件と精神的バランスの欠除等等次から次と解決を要する問題が山積している.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.