特集 痛み
<随想>
脊髄損傷患者の痛み
加藤 栄昭
1
1国立村山療養所理学診療科
pp.395
発行日 1974年6月15日
Published Date 1974/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100848
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患者が痛みに対して示す反応には様々なものがありますが,リハビリテーションの過程のなかでは多くの場合,マイナスの因子として働いているようです.すべてのアプローチに対する消極性,逃避,拒否などの反応は,われわれPTにとっても訓練を進めてゆく上で,大きな壁になります.それぞれの疾患が示す痛みの症状は質的に異りますが,脊髄損傷患者の場合に限ってもいろいろな質の痛みが組合わされています.完全麻痺と不全麻痺,痙性と弛緩性の麻痺でも異った症状がみられます.発生部位別にみても,第一に脊椎の損傷部位周辺に発生する痛みがあげられますが,これは時間の経過と共に低下していく例が多いようです.
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