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特集 骨粗鬆症と運動器疾患
脊髄損傷患者における骨粗鬆症
Osteoporosis in patients with spinal cord injury
坂井 宏旭
1
,
前田 健
1
Hiroaki SAKAI
1
1総合せき損センター,整形外科
キーワード:
Spinal cord injury
,
Osteoporosis
,
Fracture
Keyword:
Spinal cord injury
,
Osteoporosis
,
Fracture
pp.301-306
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002484
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要旨:脊髄損傷(以下,脊損)は,骨量減少と骨梁構造の破壊を引き起こす。脊損後の骨量減少のメカニズムは,麻痺に伴う骨への荷重負荷減少に加え,様々な因子が関わっている。骨量減少は損傷後早期に始まり,損傷後6カ月間に海綿骨においてより急速に減少,12カ月以降緩徐な減少へと変化していく。脊損患者において,通常よりも低エネルギー外力により,骨折が発生する(車椅子の移乗動作など)。骨折発生率は通常の約2倍で,その発生部位は大腿骨近位部,遠位部,脛骨近位部である。脊損関連の骨粗鬆症における薬理学的介入またはリハビリテーション介入の有効性を調査した研究の結果は,未だに議論の余地がある。このような現状のため,今後,脊損関連骨粗鬆症に対する質の高い臨床研究が必要である。
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