Japanese
English
特集 リハビリテーションにおけるリスクへの対応
脊髄損傷患者
How to cope with the risk of spinal cord injured patients: Cause of death, survival time and risk management.
高橋 秀寿
1
,
木村 彰男
2
,
鈴木 幹次郎
1
Hidetoshi Takahashi
1
,
Akio Kimura
2
,
Kanjiroh Suzuki
1
1国立療養所村山病院リハビリテーション科
2慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
1Department of Rehabilitation, Murayama National Hospital
2Department of Rehabilitation Medicine, School of Medicine, Keio University
キーワード:
リスクマネージメント
,
脊髄損傷
,
平均余命
Keyword:
リスクマネージメント
,
脊髄損傷
,
平均余命
pp.609-616
発行日 2001年7月10日
Published Date 2001/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109529
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はじめに
リスクマネージメントという考え方は,EBM,クリティカルパスとともに,現代医学のキーワードとなっており,どの医学雑誌をみても特集が組まれている.リスクマネージメントがこれほど注目を集めている背景には,疾患毎にその病態生理が明らかになり,そのための的確な治療法がほぼ確立されつつあるので,その次の段階として,医療の質が重要視されていることが挙げられる.また,一方で,治療に際しての複雑なプロトコール,日進月歩のハイテクノロジーを用いた医療機器の使用などに,医療関係者が困惑している現状がある.さらに,医療事故が毎日新聞紙面をにぎわし,少しのミスも許されないという医療事情から,各医学会とも,対策を組まざるを得ない状況にある.
脊髄損傷のリハビリテーションにおいても,運動感覚障害のみならず,呼吸・循環器障害,膀胱直腸障害,自律神経障害,褥瘡など,多くの病態生理を理解し,これを解決していかなくてはならないため,それぞれの病態毎のリスクマネージメントが重要となっている.
今回,最近の約10年間の文献をレビューすることで,脊髄損傷における合併症,生命予後,死因を調査し,さらに,その死因に直結した病態についてのリスクマネージメントついてまとめたので,ここに報告する.
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