特集 脳卒中のリハビリテーション
Ⅳ 理学療法
片まひの評価―理学療法の立場から
福屋 靖子
1
1東大病院リハビリテーション部
pp.456-469
発行日 1971年11月9日
Published Date 1971/11/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100504
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はじめに
患者評価は理学療法プログラム作製上,必要不可欠なものである.理学療法士は患者評価に基づいてリハビリテーション目標を考え,理学療法プログラムを実施する.リハビリテーション目標は,リハビリテーションチームのメンバーが集まって検討し,決定するものである.したがって,このチームのメンバーである理学療法士の行なう患者評価は,リハビリテーション目標決定のための1データとなるべきものであるから,当然のことながら,身体機能に関しての評価だけではなく,患者の精神・社会・経済面も考慮した評価であるべきである.
理学療法のプログラムは,患者の状態の変化に応じて機を逸さず,適宜変更していくべきものである.機を逸さず患者の状態の変化を把握するためには,患者に接するときはいつも変化がないか調べる,すなわち,患者評価は患者に接するたびごとに行なわなければならないといえる.
片まひの評価として留意すべき点について,以下に述べてみる.片まひはその病気の性質上症状が多様で,しかも高血圧・心障害などの種々の合併症を伴うことが多いたあに,理学療法開始前にはできるだけ詳しい医学的情報を得て,運動量の調整には細心の注意を払う必要がある.
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