特集 脳性まひのリハビリテーション
Ⅲ 乳幼児期の脳性まひ
幼少脳性まひ児の評価と治療計画―理学療法の立場から
大内 二男
1
1神奈川県立ゆうかり園
pp.569-576
発行日 1972年12月9日
Published Date 1972/12/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104314
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脳性まひ児治療へのアプローチ
脳性まひであると診断されたならば,理解のあるリハビリテーションドクター(小児科医,整形外科医)にっよて治療と指導がおしすすめられるべきである(その治療の内容として理学療法が重要になるかもしれないけれど).現在少しずつではあるが,脳性まひ児の治療へのアプローチがなされてはいるものの,このことが両親や一般社会に理解されていなかったために,あるいはよい方向づけへの指導が遅れていたために,ただ診察のみに,病院をいくつもさまよっていて,リハビリテーションへのプログラムにのせる時期を遅らせてしまった例を知る時,われわれの努力の不足を痛感する.脳性まひ児の取扱いにおいては,健康児と同じようにしても,さしつかえないところまで過保護にしてしまっていたり,運動能力にのみ神経質になりすぎて,総合的な能力を見失ってしまうことなどがある.脳性まひは病気ではなく,漠然とした症候群であるから,それぞれに慎重な態度で接するべきであり,理学療法についても同様のことが言い得る.
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