特集 耳鼻咽喉科MEの進歩
VI.観察記録
Xerography(Xeroradiography)
河西 信勝
1
,
井上 哲生
1
,
野口 明彦
1
,
加藤 孝邦
1
Nobukatsu Kasai
1
1癌研究会附属病院頭頸科
pp.865-870
発行日 1981年10月20日
Published Date 1981/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209336
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I.はじめに
electroradiography(X線電子写真)は,空中に無盡蔵に存在する電子を銀塩写真における銀の代りに用いる写真撮影法であり,当初は高価な銀に対して電子がきわめて低廉であることに注目を集めたが,現在はその特徴的映像に興味がもたれ用いられ始めている。このelectroradiographyの実用化の第一歩は,1968年WolfeとXerox社の協同開発によるXerox125systemであり,以後electroradiographyはXerox社の独占が長く続き,electroradiography即xeroradiography(Xerography)と呼ばれ,商品名が一般的な呼び名となっている。さらにXeroがギリシャ語のXeros(乾式の意味)を表わすように,現像が乾式である点が特徴的である。このような電子を用いたX線写真を現在xeroradiography(以後Xeroと略す)と呼んでいるが,Xeroの普及とともにXeroの意味・原理・感光理論に関する種々の疑問を聞くが,ここでわれわれは現在唯一の実用機であるXerox125systemの器械の禾昌介,千技の実際,本法の特性を示すとともに,現在,頭頸科領域において最も,一般的に用いている甲状腺・唾液腺におけるXeroの実際を述べるとともに,本法の適応と限界さらには今後の可能性に言及した。
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