特集 耳鼻咽喉科CT診断
CTと解剖
口腔・咽頭領域
加藤 孝邦
1
,
河西 信勝
1
,
井上 哲生
1
,
内田 正興
1
,
多田 信平
2
Takakuni Kato
1
,
Shinpei Tada
2
1癌研究会付属病院頭頸科
2東京慈恵会医科大学放射線科
pp.771-778
発行日 1982年10月20日
Published Date 1982/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209504
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I.はじめに
口腔・咽頭の検査は視診および触診が大部分であり,骨に病変が及ぶ時にX線検査が行われていた。しかし,CTにより骨組織ばかりでなく,軟部組織をも画像化する事ができるようになり,耳鼻咽喉科領域でも多く利用されている。しかし,口腔・中咽頭では視診触診が容易であるばかりか,歯牙の充填物や金冠等によるアーティファクトや,嚥下運動などの動きのアーティファクトにより,良い像を得る事が困難な場合もあり,あまり多く利用されていない。しかし,上咽頭では副鼻腔と同様に早期より利用されてきた。下咽頭・喉頭領域でもスキャン時間の短縮により,良い像を得られるようになったため,多く利用されるようになった。
口腔・咽頭の管腔臓器の表面構造のみでなく,従来診断上の盲点となっていた側頭下窩,傍咽頭間隙,翼口蓋窩などの深部構造の解剖およびX線解剖について述べる。
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