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神経性難聴・耳鳴に対するA. T. P Preparationの試用経験
大藤 敏三
1
,
平野 一弥
1
,
坂口 幸雄
1
,
中嶋 紹治
1
1日本医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.735-743
発行日 1959年9月20日
Published Date 1959/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202319
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I.緒言
生体の機能は主として高エネルギー燐酸結合のエネルギーに依つて賄われており,其の代表的な存在とも言うべきA・T・P(Adenosine triphosphate)が1928年Lohmanに依つて筋肉中に発見されて以来,今日に至る迄多数の学者により基礎的研究が続行され,A・T・Pの生体に於ける意義と作用が遂次解明されるに至り,其の意義は愈愈重要視されるに至つている。一方其の臨床的応用も近時頓に活発化し,本邦に於いても既に多数の研究機関に於いて基礎的並びに臨床的研究が実施せられている。
耳鼻咽喉科領域ではMaggioが老人性難聴に,河田教授が神経性難聴及びメニエル氏病に応用し,其の報告文献が発表されている。我々は神経性難聴と思われる患者に以下述べる方法にて本剤を試用し,見るべき結果を得たので此処に報告する次第である。
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